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多様化するインサイドセールスの役割(既存顧客向けインサイドセールス)について

本日、弊社Account Executiveの弘中がinside Sales Conference2024に登壇いたしました。
セッションの中でインサイドセールスのキャリアについて語られましたが、インサイドセールスの役割は大手企業様を中心に昨今変化してきているのを感じています。

具体的には、これまではマーケティングチームと営業(フィールドセールスチーム)の間にいたのがインサイドセールスと呼ばれる役割でしたが、現在では既存顧客(カスタマーサクセス)チームの中にインサイドセールスが置かれることも珍しくありません。

▼これまでのThe Modelを例にしたインサイドセールスの立ち位置


マーケティングチームから受け取ったリードを電話・メール・手紙とあらゆる手段を使ってコンタクトを重ねていき、要望を把握し温度感をあげたうえでSQL(Sales Qualified Lead)として営業(フィールドセールス)にトスアップをするというのが、これまでのインサイドセールスのメインの立ち位置でした。

▼昨今、多様化してきているインサイドセールスの立ち位置


マーケティングチームと営業(フィールドセールス)チームの間だけではなく、既存顧客(カスタマーサクセス)チームの中にもインサイドセールスが生まれてきています。既存のお客様に対して、電話・メール・手紙などあらゆる手段を使ってコンタクトを重ね、信頼関係を大きくした後に「追加契約」に関するトスアップをするという立ち位置が生まれてきています。
これまではSQLをKPIにして定めていたのがCSQL(Customer Success Qualified Lead)と呼ばれ、既存のお客様からのトスアップをKPIにしています。

・既存顧客(カスタマーサクセス)組織内にインサイドセールスが配置される背景

では、なぜ既存顧客向けのインサイドセールスチームが配置されるようになったのか3つの要因から深掘りしていきます。

①既存顧客との接点減少による既存顧客の可視化が求められている

営業活動が進むにつれて既存顧客の数が多くなる一方で営業担当者は新規の顧客開拓に多くの時間が取られてしまいます。
自分が頑張って契約を獲得するにつれて既存顧客の数も増えていき、初期のようなきめ細かなアプローチが難しくなります。
当然その中でもトップセールスと呼ばれる「できる営業者」の方は既存顧客と上手に接点を作りにいき関係値を増幅させることで継続的に追加のご契約をいただいていますが、そうではない営業担当者は新規顧客開拓の時間で手一杯でどんどんと見えざる顧客が増えていくことになります。

②複数製品を提供しているにも関わらず単一製品導入顧客数が増加している

企業として、より営業担当者が売れやすくなるための支援として多くの製品を提供できるように取り扱い製品を増やすことや新製品の開発を行ってきました。
一方で営業担当者の目線では製品が増えるたびに「新しい知識の習得」に時間が取られてしまうことや、これまでの自身の得意な提案パターンではないパターンを習得-実践しなければいけないことがボトルネックとなり、提供製品が増えたにも関わらず自分が一番得意な自分の型を続ける傾向があります。
これにより、せっかく良い製品が新しくリリースされたのにその製品の存在自体を知らないお客様が存在してしまいます。

③新規顧客獲得の難易度があがってきた

世界的な景気変動によりほとんど全ての企業において利益の重要性が増してきました。これまでは売上が伸びるのであれば、それ以上に投資をしても将来的に回収できるという見込みで製品購入の意思決定をしてきた方々が、投資回収にかかる期間や新規投資に対してこれまでよりも時間をかけて検討することが増えています。
また、オンラインの発達により多くの製品がオンライン上で検索できるようになり常に競合他社との比較に向き合い続けている状況です。
このような中では、これまでと同じマーケティング投資ではこれまでのような成長を描けないため、マーケティングへの投資額を増やさなければこれまでの売上を維持するのが難しくなってきます。

以上3点により、既存顧客に対するアプローチの密度を高めるための手法として既存顧客組織内にインサイドセールスを配置する取り組みが増えてきました。

・これまでのインサイドセールスとの違い

では、これまでのマーケティングチームと営業チームの間にある際のインサイドセールスとどのような点が違うのかを2つの観点から説明していきます。

①CSQL創出のために利用するデータの違い

これまでのインサイドセールスでは主にマーケティングデータを活用していました。業界やエリアの傾向や、業態ごとのお客様の使い方をSPINなどの話法を用いながら”お客様の興味を高める”ことでSQLを創出していましたが、既存顧客からのCSQLを創出する場合には「利用データ」「実績データ」の活用もしていかなければいけません。すでに現在ご利用いただいている製品があるので、その製品の利用状況(顧客は満足しているか、もしくは何か不満を感じていそうか)や過去実績(この企業内で新製品の導入を進めるためには前回と同じ稟議フローになるか別か、前回導入検討時に否定派だったAさんは今回も検討に加わるのか)といったデータを広く扱う必要があります。
さらに、これまでは類似業態の事例をベースにトーク展開していったものがすでにお客様のデータが何らか蓄積されている形ですので「この顧客にとっての個別具体的な例」を展開することが求められます。
新規契約段階と異なり一定関係値が出来上がっているはずなので、お客様との連絡は取りやすい状態にありますが、一方で会話をする難易度はデータをもとにしてお客様の実態に合わせて個別最適にした話をしなくてはいけません。

②CSQL創出のために連携するチームの違い

これまでのインサイドセールスではマーケティングチームと連携して、チャネルの流入元や過去の参加イベント、ダウンロードコンテンツの情報をもとにアプローチをしていたのでマーケティングチームとトスアップをだす営業チームとの連携がメインとなっていました。
既存顧客へのアプローチには上記に加えて、製品利用状況を確認するために製品チームとの連携、お客様から問い合わせやクレームが過去に発生していたか確認するためのサポートチームとの連携、具体的な提案をしていくためにコンサルタントチームとの連携などもあるかもしれません。
これまでよりも多くのデータを利用することができるようになったため、多くの部門との連携も必要になります。

・既存顧客向けの営業活動についてのお問い合わせはこちら

既存顧客向けの営業を強化したいと考えられている企業様は昨今非常に増えてきています。今回のブログでは既存顧客向けのインサイドセールスについて記載しましたが、CSQL以降の営業チームに対する課題や新規獲得チームとの棲み分けなど多岐に渡るご相談をいただいております。
既存顧客の営業活動を強化したいとお考えの皆様は下記よりお気軽にお問合せください。

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