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セールスフォースはどのようにチェンジマネジメントを行い、社内でのGainsight定着を促したか

テクノロジーは、人々やビジネスがより高いレベルのパフォーマンスを発揮するために大きく貢献できます。しかし、機能の追加であれ、プロセスの余分なステップの排除であれ、テクノロジーは常に何らかの変化をもたらします。その大きな理由は、テクノロジーの適用はビジネスプロセスに変化をもたらすからです。ビジネスプロセスの変更は、特に人がプロセスに介在している場合、トレーニング、イネーブルメント、継続的なエンゲージメントの必要性を生み出します。

セールスフォースのシニアプログラムマネージャーであるコートニー・グエルチ氏は、Gainsightがホストするウェビナーに登壇してくれました。その中で彼女は、Gainsightを活用したカスタマーサクセスの成果を向上させるために、世界中の何百人ものテクニカルアカウントマネージャー(TAM)に対し、彼女と彼女のチームが行ったチェンジマネジメントプロセスについて次のように説明してくれました。

何を解決しようとしているのか明確化するための問題提起を行う

効果的なチェンジマネジメントには、「私がそう決めたから」という言葉を使うべきではありません。セールスフォースでは、プラットフォームを選択するずっと前に、TAMのために解決すべき問題を明確に定義すべく段階的なステップを踏みました。

以前は、TAM組織は複数の異なるシステムを運用していました。そのため、ユーザーはシステム間を行き来する必要があり、システム間で一貫性のない情報に不満を持っていました。また、リーダーシップチームは従業員がすべてのツールの間でプロセスを管理しなければならないことから生じるシステム疲労も感じていました。これらの主な不満が特定され、認識されたことで、新しいCSプラットフォームは、これらの問題を解決するために選択されたツールとして導入されることになりました。

セールスフォースのチームは、選択したカスタマーサクセスプラットフォーム(CSP)の導入を成功させるためには、エンドユーザーへの影響に対処する必要があることを知っていました。プロジェクトスポンサーは、このプラットフォームがTAMのエンドユーザーの仕事ぶりに与える影響を理解するために調査を行いました。リーダーシップチームは、この変化がもたらす戦術的、感情的な影響に敏感でした。

適切な視点を取り入れるためのチームとワークストリームの設定

組織のあらゆるレベルのメンバーが問題を定義するプロセスに参加したため、そこで特定された問題を軽減するソリューションの実装に向けて協力的に作業することが非常に容易になりました。

多くのエンタープライズ テクノロジーの実装と同様に、セールスフォースではエグゼクティブリーダーシップボードを設置し、定期的に会合を開いてリスクや障害に対処しました。また、システムの技術的な計画の展開に重点を置く技術実装チームもありました。しかし、プロジェクトの透明性と効果的なガバナンスを向上させるため、リーダーシップチームはGainsight諮問委員会も設置しました。このリーダーシップチームの決定はプロジェクトの成功に大きな意義があったことが後々証明されました。

セールスフォースのGainsight諮問委員会には、異なる地域や職種、様々な階層レベルから選ばれたチームメンバーが参加しました。この部門横断的なグループは定期的に会合を開き、次のような重要なプロジェクトトピックについて意見を述べました。

  • ビジネスプロセスの変更
  • 課題管理
  • イネーブルメントの必要性

これらのトピックに焦点を当てることで、あらゆる分野の主要な利害関係者が、情報の流れや意見交換の中心地に一堂に会することができました。このような交流を通じて、諮問委員会のメンバーは調整の必要性を肌で感じることができ、システムの要件決定プロセスに参加することができました。

イネーブルメントで否定派をパワーユーザーに変える

プロジェクトが進むにつれて、セールスフォースは、UAT チーム、実装後のチーム、およびパワーユーザーグループを含むよう、イニシアチブの組織構造を拡大しました。これらのグループは、部門や時間帯(時差)を超えた代表者を確保するために戦略的に編成されました。

あるチームは実装を経てから2週間のイネーブルメント期間を設けました。その後、別のチームがキックオフを順次行いました。こうした段階的な導入を通じて、パワーユーザーが特定されました。そのパワーユーザーは、導入の他の段階におけるコミュニケーションプランの策定に協力してくれました。 ナレッジを蓄積する場として活用する専用のSlackチャンネルなど、いくつかのコミュニケーションチャンネルが設定されました。コミュニケーションプランの他のリソースとしては、トレーニングのためのイネーブルメントセッションや、現場の社員間でのピアツーピアラーニングをサポートするためのパワーユーザー主催のオフィスアワー(相談会)がありました。

このような草の根的な取り組みが行われた結果として、ユーザーの間でシステムの採用が定着し、変化に対する抵抗も緩和されました。

チェンジマネジメントは一過性のプロジェクトではない

新しいテクノロジーが完全に導入されたとしても、チェンジマネジメントの取り組みが止まるわけではありません。セールスフォースにとって、Gainsightは今でもTAM全員が参加する全体会議のトピックです。このグループは常にシステムを再検討し、セールスフォースのビジネスと顧客戦略の継続的な変化にテクノロジーを柔軟に対応させるためのステータスと改善目標を設定しています。

チェンジマネジメントプロジェクトを継続的に成功させるには、初期導入を効果的に行うことと同様のマインドセットが必要です。継続的なリーダーシップチームのバックアップと、当初から自由に意見を述べる権限を与えられたユーザーがいれば、カスタマーサクセスイニシアチブは、リテンションの向上と収益の拡大という約束を実現するための組織変革に役立つでしょう。